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『守ろう鉄路を わたらせ渓谷鉄道』大穂耕一郎 著
2007年5月20日付・東京新聞群馬版



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◆記事文章

『鉄路存続の一助に』わたらせ鉄道応援本を出版

 先生が、わ鉄を応援―。経営再建中の第三セクター、わたらせ渓谷鉄道(本社・みどり市)の魅力と厳しい現状を紹介した『守ろう鉄路を わたらせ渓谷鉄道』(まつやま書房・千六百三十円)が出版された。著者は鉄道ライターで小学校教諭の大穂耕一郎さん(53)=東京都八王子市。大穂さんは「地域に愛される鉄道の現状を多くの人に知ってもらい、存続の一助になれば」と話している。(藤原哲也)

 大穂さんは八王子市内の小学校に勤務する傍ら、東日本のローカル線を題材にした著作が多数ある。今回は出版元の要請を受け、二十年前から歩き続けた同鉄道沿線の魅力を自らの写真を交えて執筆した。各駅の散歩スポットや四季の風景を細かく織り交ぜるなどガイドブックとしても充実した内容となっている。

 大穂さんが取材に本腰を入れた二〇〇五年秋から約一年間をまとめた章では、昨年まで発売された年間フリーパス券「わたらせ夢切符」を利用して定期的に訪れた際の紀行文を掲載。沿線活性化策として最近注目されたイルミネーション列車や料理列車の紹介に加え、鉄道存続を願う市民との交流をつづったり、全国で相次ぐ三セク鉄道の存廃問題の背景や課題も解説したりしている。

 同鉄道の松島茂社長は「三セク鉄道の現状を知ってもらうには最高の教科書。読者を通じて、公共交通のあり方を再考するきっかけになってほしい」と期待する。大穂さんも「(わたらせ渓谷鉄道は)沿線の温かい雰囲気が一番の魅力。鉄道風景の良さをもう一度発見してもらい、鉄道存続に協力したい」と話す。

 本はA5判百九十六ぺ一ジで初版三千部。県内の書店や、わたらせ渓谷鉄道本社、同鉄道有人駅などで販売している。

編注)地名、役職などは新聞掲載当時のものです。現在は変更されている場合もあります。
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