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『守ろう鉄路を わたらせ渓谷鉄道』大穂耕一郎 著
2007年5月16日付・産経新聞群馬版


◆記事文章

わ鉄存続エール
ファンが「守ろう鉄路を」 が出版


 「みんなで乗って残そう!」を合言葉に、経営再建と存続キャンペーンを展開している「わたらせ渓谷鉄道」(本社・みどり市大間々町、松島茂社長)。そのわ鉄の魅力に引かれ、20年来通い続けている東京都八王子市の小学校教諭、大穂耕一郎さん(53)が、存続への支援になればと、「守ろう鉄路を わたらせ渓谷鉄道」(A5判、196ページ)を出版した。「鉄路の魅力だけでなく、『頑張れわ鉄』の思いを込めて書いた」という。

 大穂さんは、鉄道民俗学や環境民俗学の研究者でもあり、ローカル線で旅をする楽しさをまとめた「八高線は北風に負ケズ」「がんばれ秋田内陸線」などの著書がある。今回の出版は、沿線風景の素晴らしさに感動した「まつやま書房」(埼玉県東松山市)の山本正史社長から要請を受けて執筆にあたった。
 わ鉄は、桐生市と栃木県日光市足尾地区を結ぶ全長44キロのローカル線。公害の原点といわれた足尾銅山の創業に伴い、大正3(1914)年に全線開通した。しかし、銅山の衰退とともに赤字路線となり、平成元年からは、県や沿線市町村が出資し、第三セクター方式で運営されている。
 自然が豊かな、わたらせ渓谷沿いをのんびり走るわ鉄は、沿線の四季や観光スポットなどを満喫できる。大穂さんは「沿線には、ながめ余興場など全国に誇れる歴史と文化がたくさんある。日本の美しい風土を走るローカル線が、走り続けることを願っている」と話す。
 書籍は、県内書店や駅員が常駐しているわ鉄の駅などで販売している。

写真見出し
わ鉄の素晴らしさや存続の意義などを語る著者の大穂耕一郎さん =大間々駅構内で

編注)地名、役職などは新聞掲載当時のものです。現在は変更されている場合もあります。
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