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『守ろう鉄路を わたらせ渓谷鉄道』大穂耕一郎 著
2007年5月17日付・毎日新聞群馬版


◆記事文章

存続模索の全国三セク紹介 守ろう鉄路を わたらせ渓谷鉄道
東京の小学校教諭、大穂さんが出版


 存続を模索する全国の第三セクター鉄道を紹介している東京都八王子市の小学校教諭、大穂耕一郎さん(53)が、「守ろう鉄路をわたらせ渓谷鉄道」(まつやま書房)=写真を出版した。92年の「八高線は北風に負ケズ」(同)など、これまで廃線の危機に直面してきた鉄道についての著書もあり、今回も地元住民が雑草刈りなどを通じて、存続に立ち上がる活動ぶりなどを活写している。
 「守ろう鉄路を」はA5判196ページ。「駅と線路と駅から散歩」「足尾の山と渡良瀬の流れ」「わたらせ夢切符の一年間」「鉄道を未来につなぐために」の4章構成。最終章では各地で存続を模索する鉄道会社や地元住民の活動ぶりを取り上げ、「航空、船舶、自動車の事業者と違い、鉄道は事業者がすべてを作り、管理している」と鉄道の特殊性を指摘。巻末にはわたらせ渓谷鉄道市民協議会設立趣意書なども収めている。
 秩父鉄道、秋田内陸縦貫鉄道など再建を目指すローカル鉄道を紹介してきた大穂さんは「私鉄の経営危機が全国で表面化している。わ鉄も例外ではない。穏やかな紀行文をつづるのは難しい」と、存続支援の著書である点を強調した。【塚本英夫】

編注)地名、役職などは新聞掲載当時のものです。現在は変更されている場合もあります。
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