まつやま書房TOPページ>Web連載TOPページ>人生ぶらぶら散策記(沖田数馬)第七話 | ||
(2011.2.10更新) |
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友達が遊びにくるようになった 秩父へ移住して以来、遠方の友達が遊びにくるようになった。その代わり地元の知り合いはほとんどやってこないが… バイク好きな方がいる。今風のではなく、バイクの分野については詳しくないのでなんと表現したらいいのか分からないが、古いことは間違いない。しかも良く故障するとこぼしている。 その方が「秩父で流星を見たい」とのことで、我が家まで来ていただき、そこからは私の車で良く見えそうな場所に行った。場所は秩父市太田の水田地帯である。狭い秩父盆地の中で広大な水田があるのはこのあたりだけで、その由来は古代の条里制までさかのぼる。周囲に明るい光源がないので、天体観測には最適だとずっと思っていたのが役立った。夜中3時ぐらいまで夜空に流れる星を見続けた。 前に派遣をやっていたことがあるが、そのときの友達が遊びに行きたいと、やってきた。特に見たい場所はなく、私にお任せとのことで、まず大滝へ山岳ドライブに行き、市街地で昼食をして吉田の石間地区に行った。石間の奥は「天空の町」という言葉に相応しく、山の上のほうまで民家がへばりついている。この景色を見せたら大喜び。帰りに毘沙門水(小鹿野町藤倉)で水を飲み、帰路についた。かなり満足してもらえた様子で、また来たいとのこと。 千葉の高校の恩師もやってきた。何でも芝桜が見たいという。我が家の近くなので芝桜はどうでもいいやと思っていたが、その先生のおかげで芝桜を見ることができた。高校では写真部でお世話になり、いまでも交流を続けている。 せっかくなので、一緒に食事をして歓談。次回は龍勢を見たいとのことで、すっかり秩父のファンになってしまった。 高校の旧友。千葉から離れてしまい、すっかりご無沙汰かと思いきや、つかず離れずの交流を続けていた。私が秩父へ引っ越したと知らせた途端、「遊びに行きたい」とのことで、車でやってきた。何もない我が家にいても仕方ないので三峰口駅にある鉄道車両公園と、道の駅薬師の湯へ行った。その一人の風呂の長いこと。よく熱い湯に1時間も浸かっていられるものだ。こちらはコーヒー牛乳を飲んで、うたた寝。 最後に「友達」という関係ではないのだが、会社でお世話になった方がいる。某外資系を定年退職され、「おカネが余っていて仕方ない」と悠々自適の生活をしているようだが、銀座のレストランで働いているという。決まって平日に秩父の同僚と一緒に秩父散策をして、最後に私を酒に誘ってくれるという方である。 「何がなんでも“武甲正宗”だ! 都会でも売っている“秩父錦”は話にならない」 私はどちらにも軍配をあげたいが… 秩父に来たおかげで、昔の友達が行楽がてらに遊びに来てくれる。 とてもありがたいと思っている。 |
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続く | ||
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