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『郷土の英雄 武蔵武士(上・下)』成迫政則 著
2004年7月20日付・東京新聞埼玉版
◆記事文章

「武蔵武士」下巻を出版 元中学教諭成迫さん 有名氏族にスポット

 中世の豪族十三氏の興亡を追った「武蔵武士」下巻を、東京都武蔵村山市在住で同市文化財保護審議会長の成迫政則さん(七五)が、まつやま書房(東松山市)から自費出版した。二年前に出版した上巻で「武蔵七党」と呼ばれる鎌倉幕府の地頭を紹介したのに対し、下巻では日本史の教科書に登場するような有名氏族にもスポットを当てた。
 成迫さんは元中学校教諭。従来、歴史への造けいは深かったが、鎌倉開府八百周年の一九九二年前後から、幕府成立に大きな役割を担い、県内や都内などの武蔵地方に拠点を築いていた豪族に大きな関心を抱き、本格的な研究を始めたという。下巻では比企氏、河越氏、畠山氏、難波田氏など十三氏の起こりから衰亡までの歩みを、成迫さんがそれそれゆかりの史跡や子孫らを訪ね回ってつづった。
 来年のNHK大河ドラマの主人公でもある源義経の本妻を一族から出すなど、鎌倉幕府の有力御家人だった河越氏については、本拠地としていた川越市のほか、後に所領を持って移住した大分県香々地町なども現地取材した。
 剛勇をうたわれ、県北部一帯を支配した畠山重忠らの項では、悲劇的な最期を遂げた場と伝えられる横浜市、先祖の墓がある皆野町、居館跡の川本町、嵐山町などの史跡写真も豊富に掲載。桶川市やさいたま市で勢威を張った足立氏については、地頭赴任地の兵庫県青垣町にまで足を運んだところ「町の足立姓は38%という並外れた戸数だった」という。成迫さんは全国津々浦々を訪ねたことについて「武蔵の鎌倉武士は、地頭として各地に赴任したり、時の政権に追われるなど、全国に散ってしまい、出身地では資料が少なめ」と話していた。B5版、三百二十六ページ。上・下巻各千七百八十五円。

写真見出し
「武蔵武士」上下巻を完結させた成迫政則・武蔵村山市文化財保護審議会長

編注)地名、役職などは新聞掲載当時のものです。現在は変更されている場合もあります。
    記事中にB5版とありますが、実際の判型はA5です。
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