鉄道への愛情伝わる書
地方鉄道をテーマにした鉄道書の出版が盛んだ。近刊の「関東ローカル線旅日記②」は、東京在住の小学校教諭、大穂耕一郎さんが昨年4月に出版した同名書の続編。
吾妻、鳥山、水郡、内房のJR4線と地方私鉄の鹿島臨海鉄道と小湊鉄道、それに事業者は大手私鉄ながらローカル線の昧わいを残す京浜急行電鉄、西武鉄道、東武鉄道(東上線)の9線区の同乗記をまとめた。
干葉県房総半島を走る小湊鉄道は五井―上総中野問を結び、上総中野でいすみ鉄道に連絡。両社を乗り継ぐと鉄道で半島を縦断できる。始発駅の内房線五井までは東京都心から一時問足らず。乗客で目立つのが鉄道ファンで、「東京から至近距離にあるローカル鉄道は今や貴重な存在で、『観光鉄道』として売り出せば利用客を呼び込めるのでは……」と提言する。
秋田大学で学んだ大穂さんは、秋田内陸鉄道の存続活動にも東京から参加する。各章から鉄道への愛情が伝わる好著だ。
〈A5判、290ページ、1630円、まつやま書房=電話0493(22)4162=刊〉
編注)地名、役職などは新聞掲載当時のものです。現在は変更されている場合もあります。なお記事文章は読みやすくするためこちらで改行などをしています。
|