地名の由来を1冊に
市内27ヵ所、わかりやすく
東松山市内27カ所の大字名の由来を中心に解説し、関係する歴史や出来事なども紹介した「東松山の地名と歴史」を東松山市文化財保護委員会副委員長の岡田潔さん(77)が出版した。
岡田さんは「編纂された市史は学識者向きで、市民レベルで読める本が必要だと思って書きました」と話している。地名好きや伝説好きであれは読んで現地へ行ってみたくなる1冊だ。
神戸(こうど)や毛塚(けづか)など変わった地名の由来も説明し、町名や神社仏閣の歴史にも触れている。落ち穂を入れた"ザル"を落とし、激怒した夫から足蹴りされて死んでしまった妻の話から名付けられた」「ザル坂」など、あまり知られていない場所や言い伝えも取り上げている。
同種の本は、冒頭から解説だけを記載するものが多いが、この本は「○○について教えて下さい」「○○にはどんな意昧がありますか」など口語体の質問で始まる。解説もそれに答える形で「○○なんだと思います」と語りかけるような表現で書かれている。講演で傍聴者からの質問に答えてきた体験が元で、岡田さんは「講演会のスタイルを反映させてみました」と本の特徴を話す。
定年退職後、奥さんから「地域のために今までの知識を生かしたら」と言われたのが出版のきっかけ。生まれも育ちも東松山市内の高坂で、杜会科の教師でもあったので同市の歴史には少なからず造詣があった。定年後に、公民館活動などに携わりながら本格的に調査を行い出版に至ったという。
岡田さんは「東松山の歴史は掘り下げるだけ色々と参考になります。この本で東松山の良さを再発見してみて下さい」と話している。
A5判、295ページ。1600円(税込み)。問い合わせは、まつやま書房(0493・22・4162)へ。
(タウン記者・石橋啓一郎)
写真見出し
出版した「東松山の地名と歴史」と岡田さん
編注)地名、役職などは新聞掲載当時のものです。現在は変更されている場合もあります。なお記事文章は読みやすくするためこちらで改行などをしています。
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